プロフィール
杉谷 喜範(すぎたに・よしのり)
大手IT企業で約30年間、製品開発部門での業務に従事。その間、数百名の技術者が活躍する部門の部門長も務め、技術者の育成に長年注力してきた。その後、技術者派遣会社での数年間の勤務を経て2020年に株式会社オープンアップITエンジニアに入社。執行役員 人材開発本部長として日々技術者の能力開発とサポートに努めている。
「未経験からITエンジニアを育てる」人材開発の道へ
――まずは自己紹介をお願いいたします。
人材開発本部Executive Managerの杉谷喜範です。オープンアップITエンジニアには2020年4月に入社しました。社会人歴40年以上になりますが、そのうち30年以上はITの世界にいます。
――現在はどのようなお仕事をされていますか?
人材開発本部には2つのグループがあります。1つは入社時研修と技術研修を行う「研修チーム」、もう1つはエンジニアの派遣先で相談役となる「エンジニアサポートチーム」、この2つの役割を持つ部門を担当しています。
入社前の数年間はエンジニア派遣会社にいたこともあり、この業界については理解しているつもりです。成功も失敗も含めた40年の経験を活かしながら、色々な育成プログラムを作っています。
一人ひとりのエンジニア候補を、必ず全員一人前に
――人材開発本部Executive Managerとして、現状の手応えはいかがでしょうか?
弊社のエンジニア研修はほぼ全て社員が講師を務めていますが、彼らが自信を持って教えていることは大きいですね。研修生に対して「必ず育て上げる」という強い志を持っているので、チームに活力もあり、良い形になっていると思います。実際に未経験で入社した社員も、短期間の研修の中できちんと成果を出せています。
――会社の規模が大きいほど、一人ひとりの意欲を醸成することは難しい気もしますが。
人を育てるというのは、最後は一対一だと思っています。ですから講師には、20~30人の集合研修でも、一人ひとりの進捗状況や得意・不得意を把握し、個別にサポートするよう伝えています。そして、研修の目標を全員で達成しましょうと。
仕事というのは、社会に役立てるとか、相手の人生を豊かにするとか、そういった成果が本当にかけがえのない喜びになります。講師陣としても、エンジニアとしての新たな一歩を支援できることにやりがいを感じてくれているようです。
そうして育った人材は、ぜひ良い職場に配属できるよう営業部にもお願いしています。そこがうまく回れば、エンジニアも喜びますし、ビジネスも成長しますから。
――素晴らしいですね。コロナ禍によって、取り組み方に変化はありましたか?
現在は自主学習用のeラーニングと、講師によるリアルタイムのZoom研修という、2種類のリモート研修を実施しています。1人で困らないよう双方向性を意識し、ZoomとSlackでいつでも質問できる体制を整えています。eラーニングではSlackでチームを作るなど、仲間意識を持って勉強してもらえるような工夫もしていますね。
――なるほど、状況に応じて常に工夫・改善を続けていると。その中で苦労したことはありますか?
大人数を同時に育てるためには、仕組みを作ってアプローチすることが当然多いわけです。ただ、やはり本人の意志がなければうまくいきませんし、仕組みで人は動かない。効率的に学びを提供するツールとしてはいいですが、仕組みだけに頼って失敗した経験は何度かあります。
私も最初の1年間は仕組み作りに尽力しましたが、最も力を入れたのは「仕組みの意図」を理解・納得してもらうこと、そして「自主性の大切さ」について伝えることでした。そのためにビデオ会議で何度も説明し、社内のポータルサイトも作り、何百という質問にも全て答えました。そうした積み重ねの成果が、今出てきているのだと感じています。
成長に必要なのは、プロフェッショナルを目指す志と努力
――エンジニアとして成長するために、大切なことを教えてください。
我々は「未経験の方を育てる」ということを強みにしているので、採用時にはITの経験、職歴、学校で学んできたことも一切問いません。ただし、エンジニアになる志を持っていること、そのための努力をする意思があること、この2つが大切です。これらを持っている方なら、必ず一人前のエンジニアに育て上げます。
研修の最初にはこんなことも話します。「皆さんの人生にとって重要なのは、今日からエンジニアとしてのプロフェッショナルなキャリアを歩みだすということです。そのことを胸に頑張ってください。皆さんのエンジニアとしてのキャリアは、オープンアップITエンジニアという一社を越えて、一生続けていけるやりがいのある仕事ですから」と。
――「プロフェッショナル」とは、具体的にどういうイメージでしょうか?
エンジニアに関して言えば「失敗しない」ことだと考えています。野球選手なら3割打てば成功ですが、エンジニアが3割の成功ではシステムが動きませんから。最終的に失敗しないことはプロフェッショナルとして必要ですし、そのために見えない努力もたくさんの練習も必要です。
――技術そのもの以外に、仕事を通じて身に付くスキルはありますか?
弊社には「スキルレベル」といって、エンジニアを5段階で評価するシステムがあります。その判断材料は、エンジニア自身が書いて提出するシートなんですよ。自分を正しくアピールする主体性は大切ですし、技術的表現力も技術力の一つと考えています。
どんなエンジニアでも、一人で大きな仕事をすることはほとんどありません。組織で仕事をするわけですから、コミュニケーションや自分の考えを表現するスキルは必要不可欠です。そういった面も磨いていってほしいですね。
オープンアップITエンジニアの派遣ならキャリアの選択肢が大きく広がる
――エンジニアにとって、派遣という働き方を選ぶメリットを教えてください。
社会的には「派遣」というと評価が低かったり、誤解されたりする部分もあります。ただ、日本の社会も終身雇用制が崩れてきて、大企業にいても自分の実力でキャリアを歩まなくてはいけない時代ですよね。
その中で派遣エンジニアとして働くことは、実力を試される働き方だからこそ、将来のキャリアが広がります。派遣先の企業はたくさんありますし、一つの企業の中でその人が選べるキャリアと比べて、幅と深さが全く違うんですよ。
オープンアップITエンジニアなら、未経験からでも研修でスキルが身に付き、お客様先で豊富な経験を積むことができます。そして希望をすれば、技術の勉強をするために戻ってくることもできます。新しい技術を習得し、その実力に見合う新しい職場に行くことができるのです。
一つの企業でこのようにステップアップできる道はそうないですよね。エンジニアのキャリアの歩み方として、非常な大きなメリットだと思います。
――派遣だからこそ、キャリアの選択肢が大きく広がるのですね。
「派遣切り」など、雇用の安定性を心配するご家族もおられますが、オープンアップITエンジニアでは全員を正社員として採用しています。雇用を確保した上で多様な働き先を選べるという点では、一つの良い形ではないでしょうか。
「エンジニアになるならオープンアップITエンジニア」を目指して
――これからの将来像をお聞かせいただけますか?
オープンアップITエンジニアは、会社の目標として「未経験から将来を担うエンジニアが育つ日本一の会社になる」ことを掲げています。研修を通じて一生懸命「育てる」のではなく、研修の機会やチャンスをできる限り用意し、エンジニア自らキャリアを切り開いていく。そんな「育つ」会社を目指しています。
エンジニアの成長には自主性がとても大事です。「お客様先ではこんな新技術が導入されています!早く研修やってください」といった、積極的な声がもっと増えて欲しいですね。
――目標の「日本一の会社」とは、具体的にはどんな状態でしょうか?
「エンジニアになるならオープンアップITエンジニア」とみんなが言ってくれるようになれば、日本一かもしれません。エンジニア志望者に「オープンアップITエンジニアがいいよ」と勧めてくれる、そんな状態が理想です。
研修を経て仕事に就くだけではなく、エンジニアたちが幸せで、良いキャリアを歩み、どんどん成長できれば、その話が良い人材の採用にもつながっていくでしょう。事業目標としての数字はありますが、私は数よりもそういう評判を大切にしたいと考えています。
――評判があれば、数字は後からついてくるのかもしれませんね。
最近ではグループ全体としても「幸せな仕事をする」ことを重視しています。エンジニアとしての幸せは、やはり技術的な挑戦があって、その成果を喜ぶ人がいることが大きいと思います。使う人が喜んでくれたり、助かったと言ってくれたり、家族に尊敬されたり。そんな幸せをエンジニアが感じられる会社がいいと思います。
――人材開発本部長として、今後挑戦したいことはありますか?
研修は短期間の中で目標達成を目指すので、大変に感じる人も多いと思います。しかし「昨日できなかったことができた」「このプログラムが動いて面白かった」など、学習には必ず楽しさもあります。そんな喜びを感じてもらえる研修プログラムにしていきたいですね。これは飽くなき挑戦でもあります。
――最後に一言、メッセージをお願いいたします。
経験は一切問いませんので、エンジニアになりたい方はぜひ来てください。全力で皆さんをサポートします!やる気のある方には本気で向き合いますし、育つまで一生懸命育てます。
エンジニアは非常に大きなやりがいのある、いい仕事です。自分のスキルがしっかり結果に反映されますし、ストレートに実力が試せる世界です。かつ、ITは社会に欠かせないテクノロジーですし、誰もが毎日使うものですよね。エンジニアを求める人や会社がたくさん待っていますから、非常に素晴らしい職業だと心から思っています。